Pumpui's Diary

タイに約18年住んだ男のつぶやき

ラダック旅行記 Part 3 下ラダック+花の民(2)

再び街道に戻る。車は西に進み、カルツェという宿場町で休憩。なにか買い物をするのであればここでするように、このあとまともな店はないですよ、という代理店の方の話もあり、バナナと水を購入。ドライバーもなんか食べて行けという。陸路移動のときはできるだけ食事をしないという考えを持っている。だが、今回はこのあとなにが食べられるかわからないという恐怖心のようなもののほうが上回り、レストランでカレーを食べることにした若干戦ったが美味しいカレーが出てきた。この2泊3日では一番のごちそうだった。

街の外れにチェックポイントがあった。この先の分岐点、私が行く道はパーミッションがないと通れない。もちろん事前にとってあるので、それを見せに事務所のようなところへ運転手が行った。しばらく走ると広大な空き地にコンテナがいくつも並んでいた。前年に倒産した韓国の会社のものだ。その数50から100。タイで仕事をしていたとき、コンテナを扱う仕事をしていたので、気になってしまう。インドの港から運ばれているのだろうが、冬の間、港のあるところからここまでの道は閉鎖されているはず。いったいどうやって?なんの目的でここに?疑問は尽きないが、もう関係ないので、あまり深く考えないようにする。

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しばらくして今日の宿泊地、Sukrbuchanに到着。この地ではホテルはなく、HomeStayをすることになっているので、Stay先をドライバーが探している。正直この辺の交渉はよくわからない。このコースをアレンジするとき、多くの旅行者はもう少し先のDah(翌日訪問する)で宿泊することが多いそうだ。だが、代理店の方は「Pさんはあまり人が行かないところのほうがお好きなようですので、こちらのほうがいいのでは?」とSukrbuchanを勧めてくれたので、ドライバーもあまり知らない村だったと思う。ただ言葉は通じるので、なんにんかと話した後、この村での宿泊地を確保できた。

荷を置いた後、「ゴンパ行く?それとも明日の朝にする?」とドライバーに尋ねられたので、山の上に建つゴンパまで歩いて行くことにする。このとき17時過ぎ。暗くなると嫌だなあーと思いつつ、宿泊先を出てゴンパへ向かった。

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村人とすれ違うたびに「ジュレー」と声をかけられる。ジュレーとはネパールでいうナマステのようなもので、いつでも使える便利な挨拶だ。山の上にあるといっても、Rizongと違い、村の中を歩いて行く道のりだ。ゴンパからお経が聞こえてくる。マイクを使っているので、村まで届いているのだ。ゴンパに着くと、下男と思われる人から、寄っていけと声をかけられる。最初はバター茶だったが、すぐに食事を勧められる。ドライバーも食べていくというので一緒にいただく。ごはんと豆の煮込み、そして卵。質素な食事だ。お祈りをしている僧とは別の僧がひとり、ドライバーとずっと話していた。小僧もひとり、なにかに色を塗っている。しばらくすると、お経を唱えていた僧が戻り、僧院を案内してもらった。この案内してくれた僧というのが、タイ人の知り合いにそっくりで、親しみを感じる。ここの壁画はかなり新しく、また少しエロスを感じるものが多かった。さらに博物館と称して、古い食器などが岩をくり貫いた洞窟のようなスペースに展示されている。あまり有名ではないが、実はけっこう裕福な僧院のようだ。その後、いくつものゴンパを回ったが、ここがいちばん僧にていねいに案内してもらえたような気がする。この時はそう思わなかったけど……

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そろそろ暗くなるからと、ゴンパをあとにした。村まで降りると、どこからか村人が道路に集まって座り込んでいる。その数、100人以上……いったいなにがあったのか?ドライバーに聞いても要領を得ず、まあ、お前らもそこに座れや、と村人に言われるがままに座っていた。すると、チャイを飲めとコップを渡されチャイが注がれ、飲み干すとすぐに別の村人が注ごうとする。そのうち今度はアルコールだ。アルコールは全く受け付けないので断固として拒否。ドライバーも必死に断っていた。あとで聞くと、かなり強い酒だったらしい。そのうち、だれからともなくうたが歌い始められ、みなで合唱がはじまった。その間もチャイや酒がふるまわれ、おなかが膨れてしまった。紙パックのジュースが出席者にふるまわれ、私やドライバーにも回ってきた。そろそろ暗くなってきたので部屋に帰ろうとドライバーに告げる。ドライバーもちょっとこの雰囲気にはついていけなくなってきたようだった。部屋に戻るとドライバーが「食事、何時ころがいい?」と尋ねる。いや、さっき僧院で食べたじゃん、おなかいっぱいでなにも食べられないよ、それより早く寝させてくれ、もう疲れた、という気分だったので、そのように告げるとなぜか驚いている。さっき、お代わりするくらい食べていたのだれだよ…ということばを飲み込み、この日はこのまま寝てしまった。

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