Pumpui's Diary

タイに約18年住んだ男のつぶやき

ラダック旅行記 Part 3 下ラダック+花の民(3)

Ladakhに入って初めてのHome Stay。Home Stayも大きく2つに分けられ、ひとつは最初からHome Stayを生業にしているところ、もうひとつは特に生業にしていないが、宿泊希望者がいれば受けつけるところがあるらしい。Skurbuchanは観光客が泊まるような村ではなく(その後回った村と比べるとかなり大きく感じたが)、HotelはもちろんのことGuest HouseやHome Stayを生業にしているところもないらしい。だからドライバーも宿を探すのに時間がかかったに違いない。部屋は石の上にゴザのようなものを敷かれており、さらに座布団のようなものを並べてあった。毛布は部屋の端に重なっており、好きに使ってくれとのことだった。代理店の方が寝袋を用意してくれたので部屋に持ち込んだが、使う必要はなかった、ダウンジャケットを着て毛布を掛けて寝ると寒さは感じなかった。

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初めてのHome Stay先での朝食。チャパティと卵料理。チャパティにはジャムが添えられていたが、外国人用だろう。チャパティは小麦の全粒粉と塩を混ぜて出来上がった生地を焼いたもの。味が薄くあまり好きではないが、この地ではこれが多い。今回の旅行中数か所でHome Stayをしたが、滞在先によって異なる味を楽しめた。

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08:00過ぎに荷物をまとめて出発。車は西へと進んだ。これまでと比べると道は少し悪くなってきたが、走るのが困難というほどではない。しばらく走ると緑が増えてくる。花の民と呼ばれるドクパが住むダー・ハヌーエリアに入る。特に観光名所はないが、周囲と比べて緑が多い。幹線道路を外れ、Dahへ入る道で放牧の群れに道を塞がれた。この後、なんども遭遇することだが、この時が初めて。しかもここは道が狭いこともあり、迫力を感じる。

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一般的にドクパは花の民と呼ばれることが多いが、これは宗教儀式の際に頭に花を乗せることから呼ばれていると思われる。普段はほかの民と変わらない服を身に着けている。顔立ちは彫りが深く、ラダック人とは少し違うようだ。ガイドブックや旅行代理店にあるような写真は、儀式のときしか見られないと思ったほうがいい。ただ、この地は緑が豊富で、畑でなにか作物を作っていたし、村中にアプリコットの木も植えられている。幹線道路を外れてから100m以上登ったはずだが川の水もあり、乾いた土地の中に突然現れた桃源郷のような村だった。行ったことのないフンザ(パキスタン)がこんな感じかな、とふと思った。

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Gompaは無人で鍵がかかっており、村人を呼ぶ必要があったが、どうも出かけているらしくかなりの時間を待たされた。中には千手観音が祀られていた。Gompaを見たあと村を歩く。Sukurubuchanほど大きくないこじんまりとした村だ。子供を見かけない。学校へ行ってるのだろうが、この日のルート上、学校らしいものは見かけなかった。さらに奥のほうにあったのかもしれない。

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Dahを離れ、元の道を戻りLamayuruへ向かう。途中、メインの街道を外れSanjak Valleyと呼ばれる道に入る。街道沿いの村々にはモスクがあり、イスラム色が強まってくる。歩いている人々の顔つきも違う。ちょっと単調な道だったのでうとうとしているうちにKargilとLehを結ぶ道路に入っていた。いくつかの軍事基地を通り過ぎFotu La(4090m)を越えてLamayuruに入る。今回の2泊3日ではこのFoto Laが一番高いところだ。代理店の方が下ラダックは一番高所順応に適しているというのはこういうことだろう。

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Lamayuruに到着。下ラダックで訪れる観光客が最も多い村だろう。Moon Land=月の世界とも呼ばれる異様な形をした岩肌に囲まれている。Gompaの前で車を止め、入館料を払い中に入った。本堂の外の壁画は新しい。また本堂の中に入って右側には石窟につながる小窓があり、奥に像が飾られている。このGompaは内部よりも外観のほうが見ごたえがあるような気がする。観光客はほとんどインド人で白人やその他アジア系はほとんどいなかった。インド人の多くは仏教徒ではなく、Gompaでの態度も決していいものではない。とにかく騒がしい。英語での注意書きなど無視だ。騒がしくなるたびに少年僧が注意を促すが、すぐに騒ぎ出す。今回回ったGompaでは最も観光客が多いとともに、最もマナーの悪い観光客だらけのGompaだった。少年僧に同情したくなったくらいだ。ガイドブックに村へ降りる途中にあるセンゲガンというお堂にはきれいな壁画と像仏像があると書いてあったので探してみたが、見つからなかった。探しているうちに雨が降り始め、本堂に戻って雨宿りだ。インド人旅行者の多くは雨の中車に戻っていった。しばらく本堂で雨が止むのを待つ。先ほどまでインド人に注意を促していた少年僧もひと休みだ。本堂の上のほうでお経が聞こえ始めた。雨が弱まった合間を縫って、移動する。このお堂では年配の僧が中心となって、お経が唱えられていた。中に入って少年僧が座っている横に座ってお経を一緒に聞いていた。インド人旅行者が中を覗き、私に写真を撮っていいかと聞いてくる。服装が全然違って僧ではないことはわかるはずだが、こうして聞いてくるのはインド人らしい。撮影禁止の表示は出ていたが、彼らは関係なく中に入って一回りし写真を撮っていく。やはり宗教が違うとこうも感覚が違うのだなあと実感。僧は一心不乱にお経を唱えているが、内心うっとうしいに違いない。お経の合間に流れる打楽器や管楽器の音が心地よい。いかにもチベットだなあと思ったひとときだ。1時間もしたころ、少年僧がバター茶を持ってきてくれた。ありがたいことである。お経をまだ唱えられない少年僧が10人くらい座って聞いていたが、彼らは私に視線を投げかけてきた。こんなに長い時間座り続ける観光客は多くないのだろう。バター茶がなくなるとすぐに注ぎ足してくれる。結局2時間半ほどお経を聞いてからGompaをあとにした。

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ドライバーは笑いながらいったいなにをしていたんだ?と尋ねてくる。今日はこのLamayuruで泊まるだけだから時間に余裕があったからずっと見てたんだよ、とだけ答える。この日もHome StayでSingay Home stay and Resturantというところに荷を置いた。ここはHome Stayを生業にしているところで、ベッドのある部屋に案内された。夕食を食べ終えるとすることはない。電気は通じているがwifiはダウンしているとのこと。ダメもとで挑戦すると、なんと奇跡的に繋がった。急いでメールを送って30分ほど友人とチャットしていると突然電気が消えた。もちろんwifiもダウン。ラダック/ザンスカールで唯一ネットがつながった瞬間だったが、まさかこのときはそんなことを思いもしなかった。

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