Pumpui's Diary

タイに約18年住んだ男のつぶやき

ラダック旅行記 Part 6 Zanskar(1)

 Tsu Moririから戻り、1日ほどLehに滞在。この時点でカトマンズ行きのフライトまで10日ほど残していた。

Zanskarへ行きたかった……。ラダックの南にあるZanskarは、幾重にも連なる険しい山々に囲まれた地域だ。中心地であるPadumまで通じている車道は、KargilからPensi Laを通じて入る道路のみ。冬はこの車道はもちろん、外界と結ぶ峠も雪で塞がってしまうまさに陸の孤島だ。冬は凍った川の上を歩くチャダルが唯一の手段となる。バンコクを出る前、Zanskarへ行けるか確認したところ、その時点ではKargilから先が開通していないが、私の滞在中には開通するだろうとのことだった。予想通り、下ラダックを旅行中に開通したので、空いた1日を使って代理店の方と詳しい日程を詰めることにした。

実をいうと車のチャーターなどでこの時点でほぼ予算を使い果たしていた。Zanskarは中心地であるPadumまでKargilを経由して片道2日かかる。そのためZanskarに3日滞在すると6泊7日となり長丁場だ。車も他の地域より少し高めの設定だ。だがここまで来て時間には余裕があるのに行かないのは絶対に後悔するだろう。なんとか金策をして?行くことを決めた。KargilはラダックでLehに次ぐ第二の街で、イスラム教徒が大半を占めている。そのためか、LehからKargilへ行く車は仏教徒のドライバーでかまわないが、Kargil発はムスリムでないとならないというルールがあるそうだ。そうした事情もあって、初日はKargilまでこれまでと同じドライバーで行き、Kargilから先はムスリムのドライバーということになった。Gompaによってはムスリムの立ち入りを禁止するところがあるからだ。Zanskar内の移動は別のドライバーになるらしい。またZanskarに宿泊する4日はすべてHome Stay。今回、Home Stay先はすべて代理店の方の親戚宅であり、事前に連絡を入れておいてもらうことになった。

7時にLehを出発。下ラダックへ行った道と同じルートを走る。これまでに見たGompaで最も気に入ったRizong Gompaにもう一度立ち寄ってもらった。Ule Tokpoからひたすら登る道は、まさに人里離れたGompaのイメージだ。ようやく僧房が見えてくると、数日前来た時とは様子が違い、多くの車が止まっていた。明日、なにか大きなイベントがあるそうで、その準備のため多くの僧や信徒が集まっているとのことだった。上階の本堂に行くと、多くの僧がお祈りをしているようで、中に入る雰囲気ではなかった。スピーカーから流れるお祈りを聞きながらしばらく待つと、お祈りを終えた数十人の僧が本堂から出てきた。どうぞ中にといわれて、中に入る。ラダックで入ったGompaでここだけは流れている空気が異なっているように感じだ。敬虔なその雰囲気に圧倒される。その後、別のお堂でこちらは少年僧がやはりお祈りを始めてそちらにお邪魔する。Rezong Gompaの麓にはNunnery、尼僧院もありこちらからも多数参加しているようだ。総勢100人を超えていた。端にひっそりと座りお祈りを聞く。風貌が明らかに違う異邦人が珍しいのか、お祈りをしながら少年僧はこちらをちらちらと見てくる。やはりまだ子供だ。小休止となりパンのようなものが配られた。これまでに見たことのない大きく厚手のものだ。ラダッキブレッドと呼ばれるもののようだ。私にもひとつ配られ、ドライバーと一緒に食す。大量に作ったもののひとつで冷めており、全部食すことができなかった。再びお祈りが始まったあと、用意していた飴を若い僧に託し、Rezong Gompaをあとにした。

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西へ進みこれも一度寄っているLamayuru Gompaへ。Gompaの奥にあるセンゲガンというお堂を見つけることができなかったため再訪問だ。センゲガンは村へ降りていく途中にあり、前回近くまで来ていたのに気がつけなかったらしい。私が見つけられないことを心配して、今度はドライバーも一緒に来てくれた。狭いお堂に古い仏像と壁画がある。狭くて静かな空間が心を落ち着かせてくれた。

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さらに西へ進み、Mulbechという集落で摩崖仏を見に行く。道路に面した巨大な岩に彫られており、脇に小さなお堂がある。7,8世紀頃に造られたそうだ。なんのために崖にこんなものを彫ったのだろうか。

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摩崖仏の向かいに小さなレストランがあり、ランチ休憩。シンプルに卵チャーハンだ。

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Mulbechの手前からはイスラム圏に入る。歩いている人もムスリムが多くなってきた。Kargilの手前から道が悪くなってくる。工事をしている区間が長い。そろそろ疲れてきたと思ったころ、突然道が開け、目の前にLehを離れて初めて街といえる住宅地の塊が目の前に広がっていた。1999年にパキスタンとの紛争で砲撃を受けたという国境に近い街。だがそのような傷跡を見つけることもなく、商業都市のようだ。指定された宿にチェックイン。明日からのドライバーと挨拶を交わし、明日のピックアップ時間を確認。ひとりになって、地図を見てもどこを歩いているのかわからず、レストランも見つからない。5分ほど歩いたところにあるホテルの中のレストランで食事。夜でもブッフェがメインだが、オーダーで作ってもらう。これから5日間、食生活は厳しいものとなる。最後の晩餐と思い、金額に目をつぶって食すとした。