Pumpui's Diary

タイに約18年住んだ男のつぶやき

インド横断とカラコルムハイウェイ~ペシャワール(1)

何度か目覚めたものの、部屋が暗いせいか、すっきりと起きられたのは8時を過ぎてからだった。しかし、よく寝ている……。

本来、朝早いフライトは前日では席が取れなかった。事前の情報は早朝に2便というものだった。この日は昼過ぎにもあったため、こちらのフライトとなった。ペシャワールに着くのが遅くならなければいいのだが……。

ドアを開け、外を見ると晴れ渡っている。飛行機は予定通り飛ぶだろう。

チャイを飲み、宿の親父とたわいもない話をしながら時間を潰す。数日前に日本人が泊っていて、カリマバードに向かったらしい。カリマバードで2人ほどバックパッカーらしいのを見かけたので、そのうちのひとりだろうか?昔と比べて日本人が少なくなったと嘆いている。

往路はラホール→ラワールピンディ→ギルギット→カリマバードとバスを乗り継いできた。ラホールを昼過ぎに出発し、カリマバードに着いたのは翌日の夕方だった。ギルギットからイスラマバード(ラワールピンディ)まで飛行機では1時間ちょっと。残り時間が少なくなったので、時間短縮のために飛行機を選んだ。17時間近くかかったバスにもう一度乗るよりも、飛行機からカラコルムの山並みを見たいという気持ちも強かった。

ここへ来る前、30年近く前にギルギットへ来たことのある方と話をしていた。飛行機のチケットを買ったものの、天候が悪く、1週間ほど飛行機が飛ぶまで待っていたそうだ。毎日空港へ歩いて行き、キャンセルと聞いて再び歩いて宿へ戻ることの繰り返しだったらしい。通り道の子どもたちと親しくなり、一緒に郊外へ歩いて行ったりしていた、そんな時代だったと話してくれた。

宿の親父のバイクで空港へ。「飛行機が飛ぶのを確認するまでこの近くにいるから、キャンセルになったら私を探してください」といって去っていった。

空港の中には入れず、外でうろうろとしていた。乗客は年配の白人カップル以外はパキスタン人だった。チェックイン手続きが始まると、軍服を着たパキスタン人っぽくない男性が並んでいた。よく見ると韓国の国旗が縫い付けられている。どういう立場の人物だったのか……。荷物チェックはインドと比べると厳しくない。

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この機材で山の上を越えていく

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こんなもの?

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機内食

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山並み

パキスタン航空は予定通りに離陸した。機材はATR42というもの。雄大な景色を眺めつつフライトを楽しむ……とよかったのだが、揺れがひどく飛行機に酔ってしまったようだ。隣のパキスタン人に慰められながら、なんとかイスラマバードへたどり着く。

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イスラマバード空港

このフライト、イスラマバード経由でどこかへ行くらしい。どこなのか、アナウンスが聞き取れない。隣のパキスタン人はここで降りず、そのまま乗っていくようだ。「Have a nice trip」と励まされる。

イスラマバードの空港は最近新しい場所へ移転したばかり。国際空港とは思えないガラガラで無機質な空港だ。ターンテーブルから荷物が出てくるまで30分くらいかかった。3か月前に来ている方が、ラワールピンディのホテルまでタクシーで行ったら1500パキスタンルピー(約1350円)もかかったと教えてくれていた。バッグを持って歩きだすと、客引きが声をかけてくる。結局1300パキスタンルピー(約1170円)でバスターミナルへ向かった。

バスターミナルに着くとすぐに窓口へ向かう。15時前。暗くなる前にペシャワールへ着きたかった。窓口に行くと「次は17時発だ」といわれる。2時間以上、Kindleで本を読み続ける。ネットが繋げられない状態で、バッテリーも残り少なくなっていたので、スマホは使わなかった。

17時発のバスは夕闇の中、一路ペシャワールへ。バスを待っている間に沢木耕太郎の「深夜特急」を読んでいた。沢木もこのルートを通っている。途中のタキシラという街で彼は遺跡を見ていた。タキシラの表示を見ながらそんな思いにふける。

道中、街のようなところは通らず、草原を走っているようだった。パキスタンは意外と道が整備されている。かなり飛ばしているが、道がいいからだろうか、北部のクレイジーエクスプレスほど恐怖を感じない。街灯がまぶしいエリアに入ると、渋滞が始まった。ガソリンスタンドに入り、バスが止められた。ここが終点だと知らされた。

19時過ぎ。ペシャワールパキスタンの多数民族であるパンジャーブ人ではなく、パシュトゥーン人の街。雰囲気がこれまでとは違う。パキスタンも外国人が泊まれるホテルは限られている。宿のめどもつかない状態で探す気力もない。3か月ほど前にここへ来ていた方からホテルを教えてもらっていた。何人もの男に囲まれていた。迫力が違う。突き刺さるような視線を感じる。早くこの場を去りたかった。気後れしつつ、教えてもらったホテル名を告げ、タクシーに乗る。

パキスタンで一番カオスな時間だった。バンコク並みの渋滞、割り込みは当たり前。クラクションも鳴り止まない。なによりも暗くて街並みがわからないのが一番不安だった。道路工事で渋滞になっているところもあり、車は大回りしてホテルへ向かう。ホテルに着いたときは20時になっていた。

※ ギルギット空港:宿から歩いても15分くらいか。宿の親父のサービスでバイクに乗せてもらった。

※ イスラマバード国際空港:2018年5月にイスラマバードの南西40㎞のところに開港した。ターンテーブルで荷物を受け取り、出口へ向かうと声をかけられた。空港で声をかけてくる奴はどうしても高い。出てから探したほうがよかったようだが、どうも余裕を持てない。

※ バス:空港で乗ったタクシーにはラワールピンディにあるDaewooのバスターミナルへと指示をした。Daewooはパキスタンで一番信頼できるバス会社。ラホールから来たときも利用している。ペシャワールまで450パキスタンルピー(約415円)。約2時間といわれ、予定通り到着。