Pumpui's Diary

タイに約18年住んだ男のつぶやき

インド横断とカラコルムハイウェイ~アムリッツアル

ようやくパキスタンを出国。インド側イミグレへ急ぐ。

この間のエリアでは毎日日没2時間前からフラッグセレモニーというイベントが行われている。本来は国旗を降ろす儀式のはずだが、いまでは国家の威信をかけたイベントとなっている。

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両国の緩衝地帯?

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フラッグセレモニ―を見に来ている観客。インド側。このときパキスタン側はだれも来ていなかった。

本当は見たかったが、どちらの国にも入国していない状態ではそれもままならず、インド入国を急ぐ。イミグレに着くと、建物に入る前にバッグを地面に置くように指示される。鎖につながれた犬が登場、麻薬検査が始まった。ドラッグ系に興味はないので心配していないが、やはり気になってしまう。終えると入国手続き。前回の出国時は、念入りなボディチェックをされ、目薬がいつの間にか消えていた。インド側はこの手のトラブルが多い。インドビザを確認され、無事入国。

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インド側への移動に使ったバス。

建物を出るとタクシーの客引きが近寄ってきた。来たときはオートリキシャ―で300インドルピー(約480円)だったので、それを目安に交渉しようとすると、Fix Priceといわれ、料金表示が出ている看板を見せられた。

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国境建物を出たところにあった料金表

まあ、ぼったくり価格である。さすが国境だ。

往路で泊まったホテルを指示して車に乗る。値段こそ高かったが、ホテルを予約してあるというと、運転手は手数料の入るほかのホテルに連れて行くこともせず、まっすぐ目的のホテルへ送ってくれた。インドも変わったのか……。

アムリッツアル市内に入ると渋滞が始まった。ペシャワールと比べると街がきれいだ。やはりインドのほうが洗練された国のような気がする。

運賃を払いホテルへ。タクシー代があまりにも高かったので、ホテル代が足りなくなっていた。ホテルのフロントで両替できないか、またどこか両替してくれるところ若しくはATMを教えてほしいと尋ねる。貫禄あるシーク教徒の従業員が、駅前にたくさん両替所があるからそこで換えてくればいいと教えてくれた。バッグを置かせてもらい、両替してから宿代を払いチェックイン。朝、ペシャワールを出て夕方にはインドにいる……。なんだかうれしかった。

横になっていると、いつの間にか真っ暗に。この日も朝から食事らしい食事をしていない。駅前のレストランに入り、ここでもお任せで出てきたものを食べる。

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アムリッツアルの夕食

ホテルに戻り今後のスケジュールを真剣に考える。予定では5日後にバンコクへ入ることになっている。KL経由でアムリッツアルから飛行機もある(エアエージア)。デリーから飛んでもいい(往路と同じ)。でもやはりここまで来たら陸路でコルカタダッカまで行き、そこから飛行機でバンコクへ行きたかった。コルカタまでの直行列車もあるだろうが、デリーのほうが確実だろう。まずはできるだけ早くデリーへ行くことにした。

翌朝、列車のチケットを買いに行く。駅構内にもチケット売り場があるはずだが、黄金寺院にもチケットオフィスがあるという。インドはチケットを買うのが一苦労する国だ。黄金寺院を見ておきたいのと、こちらの方が空いているだろうという希望を込めて、黄金寺院へ向かう。

黄金寺院は広かった……。オートリキシャーの運転手はここが黄金寺院だ、というが寺院らしいものは見られない。ただ巡礼者は多いのでこの近くであることはわかった。10人近くに聞いてようやくチケットオフィスにたどり着くが、やはりカオスだった……。20人くらいのインド人が窓口に殺到、窓口はひとつだけ。いったいいつになったら自分の番になるのか……。列なんてあったものじゃないので、インド人に交じって窓口へ向かう。しばらく立っていると、「おい、そこの日本人、こっちへ来なさい」と窓口の男性がほかのインド人を制して呼んでくれた。ありがたい……。

「できるだけ早くデリーへ行きたい」

「11時55分発の列車がある。それでいいな?」

このとき9時半。急いでホテルに戻れば十分間に合う。黄金寺院もフラッグセレモニーも見られないが、このころから前へ進むことが楽しくなってきていた。

ホテルをチェックアウトして、駅へ向かう。往路はガヤーからアムリッツアルまで、乗る権利はあるが席の保証がないチケットだった。エアコンのない車両、座れても体の一部しか座れない、30時間……。これまでの移動でも1,2を争うきついものだった。このときは同行者がいて気を紛らわすことができた。だが、今回はひとり。できるだけ楽をしたいとエアコン寝台を希望していた。

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エアコン寝台

指定された場所はなぜか荷物置き場となっていた。しばらくすると枕が配られ、席も空席に。乗客はほとんどシーク教徒。エアコン車両だからか、シーク教徒が多いからか、品のいい感じの人ばかりだった。ノンエアコン車両と違って、話しかけてくる人もいない。車内食のカレーを買って食べると、カーテンを閉めて横になり、自分の世界に入った。やはり横になれると楽である。気がつくと、いつのまにか到着時間が近づいてきた。この列車、デリーは終点ではない。なんども通路を歩いている職員に確認、デリー駅に到着した。

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車内で買ったカレー

※ フラッグセレモニ―:最近ちょっとしたブーム(特にインド側)。アムリッツアルからツアーが出ているとのこと。動画を貼っている人も多いので、一度見てみるとその迫力がわかるでしょう。

※ 国境からアムリッツアル

国境を出たところにはなにもなかった。歩くかオートリキシャ―で集落(アタリ?)まで行くとバスがあるはず。車でバスが止まっているところを通過したが、結構歩きそうな感じだった。

※ 宿:Hotel Fairway

駅まで5分くらい。Cort Rd.沿いにある。往路で同行者が何度か泊ったことがあるというので、案内された(このときは24時過ぎの到着だった)。2回とも飛び込み。シングル2000インドルピー(約3200円)。なぜか往復とも同じ部屋に案内された。ホテル予約サイトにも載っている。復路では2泊目は満室だから泊まれないといわれていた。駅前からこの辺り、宿の看板が多いので泊る所には困らないだろう。都合のいい時間に出発できて幸いであった。

Hotel Fairway | Best Luxury Hotel in Amritsar

※ 両替:ATMでのトラブルを避けたかったこと、先が見えてきたので現金を使っても問題ないことから、現金を両替したかった。駅からホテルまでの間に10軒程度の両替屋が軒を連ねている。ネパールと違って、レートが表に出ていない店が多いので、いちいちレートを確認をする必要がある。インドは切れた紙幣は受けとらないので、受け取ったときに必ず確認しなければならない。今回は変な紙幣が混じっていることはなかった。この辺もインドが普通の国になったのかなあ、と思う所以。

※ 黄金寺院:シーク教徒の聖地。近くには無料で泊まれる巡礼宿もある(白人旅行者が出入りしていた)。無料で食事がふるまわれるらしいが時間がなく、場所もわからなかった。黄金寺院付近は安宿が多いためか、建物から出てくる外国人旅行者をちらほら見かけた。

※ 日本にあるシーク寺院:日本にも2か所、シーク寺院があるらしい。東京にもあるので、一度行ってみたいと思っている。

Gurdwara Guru Nanak Darbar (Tokyo)シク教寺院 グル・ナーナク・ダルバール (東京): 日本語

※ アムリッツアルという街:シーク教徒の聖地でもあることから、圧倒的にシーク教徒が多い。ターバンを身に着けて、体格に恵まれている男性が多い気がする。経済的にも成功している人が多いらしい。バンコクでもターバンをしたシーク教徒はビジネスを行っている人が多いイメージ。