Pumpui's Diary

タイに約18年住んだ男のつぶやき

インド横断とカラコルムハイウェイ~ペシャワール(4)

バスターミナルにいた方に教わったホテルを何度も伝えたはずだった。この方はドライバーの親父にも直接伝えていたはずだった。

ペシャワールに戻り、親父は何度も車を止めて、歩いている人にホテルの場所を聞いていた。

「おお、やっと着いたぞ」

大通りから狭い路地に入っていく。曲がるときに看板が出ていた。しかし、英語ではなくウルドゥー語……。この辺りで抗議するべきだった。だが、疲れていたのか、面倒だったのか、親父の言うままにホテルへ連れていかれた。

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受付にいた男性。この地で生きていくのは思いやられそうな容姿。

ホテルの前にも英語表記はない。親父が客人を連れてきたとフロントの男に伝える。部屋を見せてもらうと、トイレ以外はきれいな部屋だった。これくらいだったら外国人を泊める許可も得ているだろう。ここに泊まることにした。チェックイン手続きを済ませ、ドライバーともお別れだ。

「じゃあ、4000パキスタンルピー(約3600円)」

親父は嬉しそうに受け取ると

「ここからバスターミナルまでは20分も見ていれば大丈夫。ラホール行きは6時7時8時とある」と教えてくれた。

部屋に戻りひとやすみ。カリマバードを出てからどうも思うようにいかない。ホテルは日中だというのに地元の宿泊者で満室に近かった。なぜかひとりでいる男性が多い。外に出るにしても、見る限りなにもない。wifiもない。14時を過ぎたばかりだったが、部屋でごろごろするしかなかった。

ふとチェックイン時にもらった領収書を眺める。よく見るとホテルの名前が英語で出ていた。全く違う名前だった……。Palaceという言葉以外共通の言葉はなかった。やっぱり……。さらに、親父に4000パキスタンルピー払ったことを思いだす。4000パキスタンルピーで同意したが、ガソリンスタンドで1000ルピーをすでに払っていた。最後に3000パキスタンルピー(約2700円)払えばよかったはず。1000ルピー多く払ってしまった……。高いチップと授業料と考えるしかなかった。

夜になってさすがに腹が減ってきた。ポテトチップを食べただけだった。外は真っ暗であまり遠くに行けない。ペシャワールはハンバーグが有名らしいが、そんな店は見当たらない。近くに入った店に入ってもなにがなんだかわからない。いわれるがままに出てきたものを食べる。

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ちょっと味が薄かった。ヨーグルトはすっぱすぎてダメ。スプライト込みで290パキスタンルピー(約261円)

5時起床。荷物をまとめチェックアウト。まだ暗闇の中、大通りまで歩き車を探す。10分もしないで見覚えのあるバスターミナルに着く。ガソリンスタンドに机を出しているチケット売り場だ。ラホール行きは7時とのこと。やはり親父のいうことはあてにならなかった。

7時ちょうどにバスは出発。乗客は3人ほど。10分ほど走って止まったところから3,4人乗りこむ。乗客が少なくても定刻通りに走るバスはありがたい。

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ペシャワールからラホールへ。このバスで乗客は10人以下。

ドライブインで休憩し、バスは13時にラホールへ到着。2週間前に見た風景だ。

客引きに囲まれる。ボーダーまで3000パキスタンルピー(約2700円)という。来たときは1500パキスタンルピー(約1350円)だったので、値下げ交渉。しかし、1600パキスタンルピー(約1440円)までしか下がらず。乗らずにいると笑いながらバックを奪い去り車の中に入れ、私の体も車の中へ。

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囲んできた集団(笑)

うっすらと国旗が見えてきた。国境だ。途中、なんどかパスポートの提示を求められ、ゲート近くまで行く。車はここまでだ、と警備兵に言われ車を下り、運転手に1600パキスタンルピーを渡す。指示されるがままに別の車両に乗り換えると、乗っていた男が両替を誘ってきた。パキスタンルピーをインドルピーへ。

出国はちょっとトラブった。私のインドビザはe-visaと呼ばれるもので、事前にネットで申請し空港で受領、パスポートにスタンプが押されたものだった。パキスタンイミグレはこれに疑問を呈し

「このビザが本物かどうか、スタンプだからわからない。(スタンプだと簡単に偽造できる?)ここでお前はパキスタンビザは使い切る。インドに入国できなかった場合、パキスタンに戻れないから、お前も我々も非常に困ったことになる。お前の出国は認められない」

といってきた。

パスポートは返ってこない……。袖の下の請求?しばらくすると白人のカップルがやってきた。イタリア人だという。彼らはバイクで旅行していた。バイクの置き場のことなどイミグレ職員と話し始めると、窓口を空けるように促され、イタリア人に譲った。

イタリア人の出国手続きが終わると、再び呼ばれる。先ほどのような拒否姿勢はなく、ごく普通に出国手続きが終わった。よくわからない国境だった。ようやくパキスタンを脱出できた。

※ ペシャワールの宿:1泊目はEmaraat Hotel。帰国後地図で調べると旧市街の奥の方に位置している。ホテル予約サイトにも載っている。しかし、日程をいつにしても満室の表示(Agoda)。営業していないのか、外国人を泊めたくないのか。今もってホテル閉鎖の真実は不明。2泊目の宿はバスターミナルと道路を挟んだ向かいのエリアにあった。2000パキスタンルピー(約1800円)。日中でも部屋で水浴びをしている音や話し声でうるさい。外の表示はウルドゥー語のみ。パスポートのコピーを取られたから、外国人が泊まることもあるのだろう。トイレ以外は自分が泊る宿泊施設として十分だった。ペシャワールも外国人が泊まれるホテルは限られている。

www.emaraathotel.com.pk

※ ペシャワールの雰囲気:北部とは全く違う。外国人が少ないので目立つ。遠慮ない視線を浴びせられ、ひとりで気後れしてしまった。しかし離れてしまうと、あの雰囲気をまた感じたいと思っている自分がいる。

※ カイバル峠:行くときは本当にビビっていたが、行ってみると拍子抜け。日中であれば襲われる心配はない。車両の往来が激しく、それどころではないだろう。展望台のようなところがある。映像はYoutubeにある。たどり着けなかったことが悔やまれる。

※ 両替:インド側よりパキスタン側のほうがいいといわれている。このときは1パキスタンルピー➡1.65インドルピーだった。

※ アフガニスタン:ビザが必要だが、アフガニスタン領事館では日本大使館からのレターを必要としているため、観光ビザは取れない。他国ではそういう方針は聞かないので、観光ビザで入っている旅行者もいるはず。(英語サイト調べるほどできないので)タリバンに仏像を破壊されたバーミヤンで、日本人女性がゲストハウスを経営している。