Pumpui's Diary

タイに約18年住んだ男のつぶやき

ラダック旅行記 前文

以前からチベット文化圏を旅行したいという気持ちがあり、

旅行する時間のある今行かなければいつ行ける?!ということで行くことを決めた。

中国共産党に壊されたチベット自治区には、自分の求めるものはないと判断。

自分の中で思いついた候補地は

・ラダック

ダラムサラ

・シッキム

だった。

 

画像検索を行い、自分のイメージに最も近かったのがラダックだったので、ラダックに決めた。それから情報収集。移動は思ったよりきつそう(正解だった)なので、旅行代理店を通して車をチャーターすることにした。

日本人女性が経営する代理店を見つけ問い合わせ。日程的に希望しているところはすべて行けるようだ。ラダックのさらに奥に位置するザンスカールについて特に知識を持っていなかったが、ラダックに二度と行くこともあるまいと思い、日数にはゆとりをもってチケットを手配した。問い合わせたときには、ザンスカールへの道が閉鎖されており、私の滞在予定期間中におそらく開通するであろうという回答だったのだ。結果としてこれが正解。ザンスカールはこれまで訪れたどの土地よりも美しい景色の土地であり、そこに住む人々の信仰心の強さややさしさが身に染みた旅行となった。

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職場での挨拶にワーイは必要か

ワーイとは、胸に手を合わせて行う挨拶のこと。

職場での挨拶というと、思い出されるのは新卒で入った会社でのこと。研修中に配属先の部長が新入社員を連れて社内を案内(10階建て自社ビル)していたときのこと。階段で清掃員とすれ違った際、誰一人と声を出して挨拶をしなかったところ、部長にこっぴどく叱られた。今となっては当然だと思うけど、入社直後ということもあって、強い印象を残っている。実際、社会に出ると、偉い人の方がしっかりと挨拶されているように感じる。これも当然ですが。学生時代、運動部にいたことやこういう経緯もあるので、あいさつはきちんと行っている方だと思っている。

さて、タイの職場。たいていの会社は声であいさつするけれど、まれにワーイを加えるところもある。かなり上の方、例えばワーカーが社長と会うときなどは、もちろんワーイすることがほとんどだ。ある会社で年下のスタッフに仕事以外でフォローしてもらったことがあり、ワーイしながらขอบคุณมากครับ(ありがとうございます)っていったら、年上の人がそんなことをするものではないですよ、と私が悪いことをしたかのごとく、彼に説教?をされたこともあり、ワーイの安売りは止めようと思うようになった。

ある職場、私の肩書きはマネジャーでもう1人タイ人マネがいて、その上にタイ人上司がいた。管轄は総勢300人強。この職場、やたらとワーイが多い。マネジャー以下、それぞれのポジションでも、みなワーイして挨拶を交わす。前述の通り、ワーイの安売りは止めようと思っていたので、ワーイされても声と笑顔だけ返していた。ある時、社長に呼び出され、タイ人からワーイをしても無視されるというクレームが来ている、どういうことだ!と言いがかりをつけられた。一応説明したのだが、社長は納得せず。その後、300人近いスタッフと毎日ワーイを交わすことを余儀無くされた。ワーイ始めた初日は、タイ人上司に呼ばれ、ワーイするようになってタイ人から評判よくなったよ、と驚きを持って評価された。

この会社以外、マネジャークラスがワーイを交わし合っている会社を私は知らない。

タイのマフィアはナイスガイだった

タイにはマフィアと呼ばれる人がいる。

もちろん日本の⚪️ク⚪️っぽい人もいるだろうが、ここで書くのはそういう人物ではない。タイ語ではผู้มีอิทธิพล(影響力のある人)と呼ばれる男の話だ。

 

当時の勤務先は製造大手の子会社で、親会社の工場に下請けとしてワーカーを派遣、作業を行う会社だった。その会社では生産減少ということで、タイ人ワーカーを減らす任務を任された。正社員もいれば、一年契約のワーカーもいた。会社の方針としては、出勤状況とそれぞれの役割を鑑み、業務に支障がないように整理する社員のリストを作れということだった。タイ人管理職に任せると好き嫌いだけで決めそうだったので、日本人である私に振られたわけである。

自宅待機のワーカーを発表した直後、仲のいいスタッフに呼ばれた。「P、自宅待機に⚪️⚪️ってワーカーいるけど、彼女、親会社のワーカーの女だ。あいつ、Pが管理している部署の近くで作業しているから、Pの顔も知ってる。あのリストをPが作ったことはもちろんみな知ってる。気をつけた方がいいぞ」と注意を受けた。実際、親会社でも自宅待機のリストは作られており、管理職は自宅待機のリストに載ったワーカーの恨みを買い、復讐されることを恐れていた。この忠告してくれたスタッフは、私と仲のいいマフィアと呼ばれるワーカーの名を出して、彼に相談するようにアドバイスをくれた。

この現場は元々この地域に住んでいるワーカーと、仕事を求めて地方から出稼ぎで来ているワーカーに分けることができた。このマフィアと呼ばれるワーカーは、生まれたときからこの地で育っており、昔から住んでいる人は知らない人がいないくらい有名な男だった。

状況を説明すると彼は「ああ、あいつかあ。わかった、話をしておくからちょっと待っててくれ」と言ってくれた。翌日「P、男に話をしておいたよ。やつには少し金貸してあったんだよ。Pになんかしたらただじゃおかないって念を押しておいたよ。しかし、Pも大変だなあ」と連絡してきたのであった。

※なお、この話、駐在員に知らせていません。

 

この会社に勤めているとき、通勤車両を貸与され、自分で運転し通勤していた。ある日、駐車場に車を止めていると例のマフィアが声をかけてきた。車がパンクしているのではないか、という。実際、自分も空気が甘い気がしていたが、パンクかどうか判断に迷っていたところだった。マフィアは友人のところで調べてもらおうといって、その日の業務が終わった後、彼と一緒に近くの修理工場へ行った。マフィアは工場へ連れて行った後、「ちょっと時間かかるから、そこの屋台でクイティアオでも食べててくれ、俺はちょっと用事があるからいっしょに食べられないけど、すぐ戻ってくるよ」といって去って行った。クイティアオを食べ終わり代金を払おうとすると、おばちゃんに「あんた、マフィアの友達だろ?マフィアに払ってもらうから受け取れないよ!」と頑なに代金を受け取らない。不本意ながら工場まで歩いて行くと、マフィアも戻ってきた。やはりパンクしていたらしく、修理を行っていたそうだ。そこで修理代金を払おうとしたらここでも「あんた、マフィアの友達だろ。マフィアと俺は長い付き合いなんだ。友達の友達、つまり俺の友達でもある。友達からこの程度の修理でお金を取る訳にはいかない。今回はフリーだ」と修理工場の人間に言われた。

 

彼はタイ人スタッフから影でマフィアと呼ばれ、ちょっと闇を感じさせる男だったが、私にはこんな感じで接してくれたので、怖さを感じさせることはなかった。それどころか、学歴のせいで昇進できない立場でありながら、ワーカーをうまくまとめてくれて私は助かっていた。マフィアという言葉とはちょっとイメージの違った男であった。 退職してその地を離れても、たまに連絡を取っている数少ないタイ人である。

 

逆ギレするタイ人の振る舞い

その会社に入社したとき、会社は以下のような状態だった。

・入社2,3ヶ月前にタイの同業他社(同族会社)を吸収合併

・日本人は親会社から出向の1名と現地採用1名

・タイ側はクライアントをそのまま持ってきていたが、情報(契約条件や売り上げ)開示が不十分で、日本側ともめていた。

・株式比率は日本9,タイ1だった。

 

配属先はタイ企業出身の管理職とスタッフが中心の部署でマネジャー。最初の業務指示は「彼らの動向を探り、クライアントとの契約内容を調べろ」というものだった。どうしようもないので、まずはタイ人管理職と関係を築くために、仕事の資料を見せてくれと頼みつつ、できる限り会話をするように心がけていた。

入社1週間後、日本側とタイ側で大げんかとなった。その日の朝、タイ側経営陣(同族で3名)はスタッフに帰るよう指示。経営陣に近いスタッフは即帰宅した。その後、タイ側企業出身者は辞める、辞めないとかなりゴタゴタが続き、またクライアントからの問い合わせも殺到、会社はかなりの混乱状態に陥った。

この混乱は彼らの株を日本側が結構な額で買い取るまで約半年続いた。

その間、このようなことが発生していた。

・オフィスはかなり大きなビルの一室で、複数の企業が入居していたが、ある日「爆弾をしかけた、30分後に爆発する」という電話が勤務先にかかり、警察に通報、全館退去となった。

・クライアントの情報が入ったサーバーが何者かによって破壊された

・入社した会社をABカンパニーとすると、BAカンパニーといった似た商号、住所は実際に入居しているビルだが存在しない13Fを騙って、「当社のサービスをご利用いただきましたが、入金されていません。このままでは裁判となります」などといったDMが発送されていたことが判明。

 ・私の携帯にI kill youというショートメッセージが送られてきた

もちろん、犯人が誰であるかはわかっていない。しかし状況を見る限り、疑わしい人物は明らかであろう。

 

なお、その後の私は、最初の配属先が事実上機能不能となり、彼らの監視の必要もなくなったため、日本側タイ法人出身者が中心の部署へ異動となった。ここはここで大きな問題があったのだが、それはまた別の機会に。

なぜ日本の店員は丁寧過ぎるのか

日本に戻って2週間弱。寒さもさることながら、未だ生活に慣れずにいる。

そのひとつが店員の丁寧過ぎる接客。たかが数百円の買い物でも、お客様は神様です、を地で行くような言葉使い。コンビニでは、レンジで温めるものの詳細を聞くのはもちろん、温かいものと冷たいものを袋で分けるか、などこっちが気にしていないことまで聞いてくる。日本語ということもあり、言葉使いの丁寧さも実感しているけど、そんなに気を使わんで欲しいと思う私はタイ化してしまったのかな。

店員の対応で気になるのが、お釣りの渡し方。あれ、きれいな女性にあんな渡し方されたら、誤解する外国人続出だと思うけど、考え過ぎか?実際、今回一度ドキっとしてしまったもの、私……

「おもてなし」なる言葉が日本人を表現するキーワードになっているけれど、あれってストレスにならないのかなあ、などと思うところが、すでに日本人の感覚を失っているのかもね。

日本で働くことは厳しそうだなあ…… 

なぜ日本はFree Wifiが普及しないのか?

日本に戻り早1週間。携帯電話の契約は済ませているものの、上手く接続ができず、外出先ではFree Wifiに頼らざるを得ない。しかし、日本ではなぜかこれがなかなか見つからず、あっても登録が必要だったり、有料プランへの案内だったりする。ネパールでは、私が行くような店や宿泊先ではFree Wifiが飛んでおり、パスワードを入れるだけで気楽に使える。パスワードは店員や宿泊先の従業員に聞けば教えてくれる。タイでも、Free Wifiはだいぶ普及している。

日本はアジア諸国よりずっと進んだ先進国であるといまだに信じ、彼らに多くの点で逆転されていることに気が付いていないのだろうか?これでどうやって観光客を呼び込む気だろうか?まさか入国させてやっている、とでも思っているのだろうか。少なくても通信環境では途上国以下であることを認めるべきであろう。

なぜ日本の飲食店は禁煙にできないのか?

2月21日朝、無事帰国。

実家へ着いた後、生活スペースの確保に努めつつ、友人たちと会食。日本の食事は美味しい。しかし、レストランの多くは喫煙可能、分煙していても煙が入ってくると、せっかくの食事も台無し。タイではオープンスペース以外の喫煙は禁止されてだいぶ時間が経ったが、これに関してはかなりきちんと守られている。日本人の多くが、日本より下に見ているタイでさえ実施できているのに、日本でできない理由があるのだろうか?これほど喫煙者に甘い国はそう多くないらしい。以前は喫煙を認めていたけれど、タイのレストランで煙を吸う機会がなくなった今、煙を吸わされる日本のレストランに嫌悪感を持たざるをえない。