Pumpui's Diary

タイに約18年住んだ男のつぶやき

ラダック旅行記 Part 6 Zanskar(6)

Hongchit村のHome Stay先にたどり着いたものの、家主は農作業から戻っておらず、しばし家の外で村の風景を眺めていた。ようやく現れた若い女性の家主は、幼い子供をふたりも連れて「遅くなってすいません」といいながら、部屋へ案内してくれた。荷を下ろし、トイレの場所を教えると家主はすぐに外へ出て行った。まだこの日の作業が終わっていないらしい。しばらくしてすると、子供たちが部屋の外から見たことのない異邦人の様子を窺うように視線を投げかける。おいでおいでといっても恥ずかしいらしく、近寄りさえしない。部屋にいてもすることがないので、再び外へ。人の姿はほとんどない……。遠くの畑で人が動いているのがかすかに見える程度。この地域も家と家の間が広い。どこからともなく牛を連れた家主が現れた。あとを着いていくと、水を飲ませに水場へ連れて行った。幼い子供ふたりは母親から離れることもない。子供のいない私は子育ての苦労を身をもってわかっていない。しかし、これだけまとわりつかれると、仕事もなにもあったものじゃないんじゃないか?そんな苦労が伝わってくる。

f:id:pumpuikun:20171209205756j:plain

f:id:pumpuikun:20171209205845j:plain

f:id:pumpuikun:20171209205942j:plain

f:id:pumpuikun:20171209205946j:plain

f:id:pumpuikun:20171209210156j:plain

f:id:pumpuikun:20171209210213j:plain

家主は家に戻ったが、子供たちは少し外に居たかったようだ。なにやら棒をもって勝手に遊んでいる。ずっと村の景色を眺めていた。雄大な山々というわけではないのだが、どことなく落ち着いた村だ。景色のスケールは違うものの、以前行ったことのあるチェンライの山岳地帯にあるアカ族の村と少し雰囲気が似ている。傾斜のある土地になぜ人は住みたがるのか?Home Stay先は山の中腹とでもいうような場所にあり、さらに高い場所にも家の姿が見ることができた。ようやく現れた村の子供たちの写真を撮ったりしていると、山の上のほうから黒や白の物体が数多く駆け下りてきた。なかなかの勢いである。f:id:pumpuikun:20171209210228j:plain

f:id:pumpuikun:20171209210301j:plain

f:id:pumpuikun:20171209210316j:plainf:id:pumpuikun:20171209210329j:plain

ヤギのようだ……だれが仕切っているのかわからないものの、山の上のほうで、別方向に向かったヤギもいた。どうやって確認しているのだろう……数回に分かれ、このような放牧帰り?の姿を見てから寒くなってきたので部屋に戻ることにした。

部屋に戻ると子供のひとり、年上の子供がじゃれてまとわりついてきた。子供の相手はあまりしたこともないが、ボクシングのまねごとで相手していると、子供も喜んで相手をしてくるようになった。年下の子は母親が家事をしているところから離れず、ずっとそばについている。

家主から「食事までちょっと時間がかかるので、これでも飲んでください」とスープが出される。シンプルな味だが体が温まる。

 f:id:pumpuikun:20171209210354j:plain

小一時間ほどしてフセインさんが家主の母親を連れて戻ってきた。初日に泊まった家にもいた老婆だ。両家を行き来しているそうだ。家主のご主人は軍に入っており、年に数か月しか戻ってこられないらしい。その間、女性が家を守っているそうだ。NyomaでもKorzokでもhome Stay先は女性しかおらず、旦那はどうしているのだろう?と思っていたのだが、放牧や出稼ぎなどで村を離れているパターンが多いのだろう。女性はたくましい……。

しばらくして食事が提供された。野菜のスープとティモと呼ばれる小麦を練って蒸しあげた蒸しパンのようなものだ。

f:id:pumpuikun:20171209210359j:plain

一夜明け、フセインさんが迎えに来た。朝食をいただき荷物をまとめた。Zanskarでの食事事情もわかり、そろそろ先が見えてきたので、非常食として持ってきていた食料を少し置いていくことにした。配りまわっていた飴のほか、チョコやポテトチップなどのおやつがメインである。子供たちは喜んでいた。一通りそうしたやりとりのあと、Home Stayの代金を払うのを忘れていたことに気づき、払おうとすると拒否された。これまでの2軒も最初は拒否したが、最後は受け取ってくれたのだが、この家主は頑として受け取ろうとしない。フセインさんがいうには、昨日子供たちと遊んでくれたうえにこんなにおやつをもらい、さらにHome Stayの代金なんてとんでもない。こちらこそありがとうございます、絶対に受け取ることはできません、ということだった。若いながらも意志の強そうなその目を見て、お言葉に甘えることにした。