Pumpui's Diary

タイに約18年住んだ男のつぶやき

インド横断とカラコルムハイウェイ~タシュクルガンへ

新疆時間というものがある。カシュガルは公式には北京時間が運用されているが、あまりにも離れているため、2時間遅い時間、新疆時間で住民は生活している。北京時間で8時は新疆時間で6時。まだ真っ暗だ。

国境の街、タシュクルガンまで移動時間は5,6時間。だが、往路ではスストでイミグレーション(もちろんパキスタン)がストライキを起こして、出発が遅れてしまった。タシュクルガンに着いた頃は真っ暗で、ホテル探しに苦労したという苦い思い出がある。往路は中国語が堪能な同行者がいたが、今回はひとり。とにかく早くタシュクルガンに着いておきたかった。

明るくなった新疆時間8時過ぎにホテルを出る。ガイドブックには国際バスターミナルからパキスタン行きのバスが出ているという情報が書かれているが、現在直行バスは走っていない。タシュクルガンまで、バスもあるようだが、シェアタクシーのほうが一般的なようだ。シェアタクシーの乗り場はバスターミナルではない。ネットでも詳しい場所を地図で表している情報は少なく、みなシェアタクシー乗り場へ行く、と書いてあるだけだった。ようやく「これをタクシーに見せて連れて行ってもらった」という情報を見つけたので、そのページをコピー。ホテルの前でタクシーが通るたびにこれを見せたが、どのドライバーも行かないという。この情報、本当に当たっているのか?と思いながら30分以上経ったころ、ようやく行くというドライバーに当たった。

ドライバーはここだといって私を下ろすと同時に「タシュクルガン行くタクシーはここでいいんだろう?」と近くにいた客引きらしい親父(ウイグル人だと思う)に確認しているようだった。ひとりの客引きが近づいてきて、ここに座っていろというので、その横でずっと座っていた。

座っていると、目の前のタクシーが何台も出発していく。予約してあったのだろうか……。親父にまだかまだかといっても、ここに座っていればいいというだけ。しばらくして旅行者らしい漢人の女性が中国語で話しかけてきた。シェアタクシーを待っているのか?と声をかけてきたようだ。だが私の横にいた客引き親父が「こいつは俺の客だ」とでもいったのだろうか、彼女はすぐにその場を去っていってしまった。その彼女もその後タクシーを見つけ出発していった。

どうやら私はこの親父の管理下に置かれているらしい。すでにタクシーは一台も止まっておらず、この日もカシュガルに泊まらなければならないのか?という嫌な予感が頭をよぎり始めた。

ようやく親父が待っていたらしいドライバーが現れ、こいつと交渉しろといってきた。漢人のこのドライバーは200元(約3300円)でいいな、といってきた。タシュクルガンの青年旅舎の掲示板の情報(もちろんタシュクルガン発カシュガル行きだが)では「シェアタクシーは120元(約1980円)から。最高でも150元(約2480円)」とあった。実は往路もタクシーが捕まらず、中国語が堪能な同行者が歩き回ってようやくカシュガルへ行くという車を見つけてくれたのだが、このときも足元を見られ200元を払っていた。これを断るとおそらく今日中にタシュクルガンへ行く車両は見つけられないと思い、やむを得ず200元で手を打った。

出発は12時近かった。客は全員漢人だった。なんとなく居心地が悪かった。

車は順調に進む。カシュガルを出ると2回検問があり、車を下ろされる。漢人は不要。私ひとり下ろされてパスポートチェックを受け、終えると先に行っている車まで歩いていく。漢人の乗客は面倒な外国人を嫌な顔をせず待っていてくれる。

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ドライブインのようなところで食事休憩。乗客がここで食べるぞ~と教えてくれた。漢人反日思想の塊と構えていたが、このあともそんなことはなかった。ちょっと漢人に対する見方が変わった。18元(約297円)。この日最初で最後の食事となる。

カシュガルを出るとしばらくは岩山ばかりの景色が続く。岩山に飽きたころ、雪に覆われた高峰が遠くに見えてくる。f:id:pumpuikun:20181001205922j:plainカシュガルから200㎞ほど離れたところにカラクリ湖がある。湖畔に住むキルギス人が羊を放牧している。私以外の乗客はこのルートを何度も通っているようで、関心がないため車を止まらずに通り過ぎていく。ゆっくりできれば、写真を撮りたかったスポット。中国人観光客でにぎわっている。

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以上、往路で撮った写真。

新疆時間17時前にタシュクルガンに到着。車は街の中に入っていった。交通飯店の前で下ろしてもらい、部屋の確認。今回は空いていた。荷物を置くとすぐに横になってしまい、食事もせずに寝てしまった。画像に含まれている可能性があるもの:寝室、室内

交通飯店。120元(約1980円)/泊。シャワートイレ付。お湯も出た。

※ カシュガルからタシュクルガンはバスもある(たぶん1日1往復)が、シェアタクシーのほうが一般的。シェアタクシーは街の西の方にたまり場がある。詳しい場所はホテルの人に聞くか、ネットで地図を探してドライバーに見せたほうがいい。定員は車両によるが、一列3人で計算。満員になるまで出発しない。タシュクルガンまで120元(訳1980円)が相場のようだが、需要と供給の関係で値段は跳ね上がることを覚悟しておいた方がいい。往復ともこの区間、中国人・パキスタン人しか見なかった。

※ タシュクルガンの宿は交通飯店と功徳賓館は外国人も泊まれる。もちろん青年旅舎もOK。往路では青年旅舎以外は満室で断られ、それ以外は外国人は泊まれないといわれた。