Pumpui's Diary

タイに約18年住んだ男のつぶやき

密入国してしまった

Cさんと会うとどうしても思い出してしまうのがTさん。ネパールを密出国しインドに密入国して数日過ごしたのだった。

バラナシにあるクミコハウスでうだうだしていたある日の夕方、Cさんが数人の日本人と一緒にクミコハウスにやってきた。Tさんはそのうちのひとり。ネパール/インドの国境からバスでバラナシに入ってきたという。私と同じルートだった。Tさんとはカトマンズで少し話をしたことがあり、再会に驚いた。しかしCさんから話を聞くと、さらに驚いてしまった。

ネパール/インドの国境で、Tさんは両国のイミグレがわからず、出国スタンプも入国スタンプも押されないまま、バラナシ行きのバスに乗ってしまい、スタンプを押されていないことを口に出せず、そのままバラナシまで来てしまったというのだ。現在のこの国境の様子はわからないが、当時はそういうことが可能だった。実際、両国人はパスポートなしで行き来している。

私自身、陸路での出入国というのはこのときが初めてで、どこがイミグレでどこがカスタムなのか看板もなくよくわからず、インド側から来た白人に尋ねながら通過した記憶がある。その後、タイとラオス、マレーシア、ミャンマーの陸路国境を通過すると、きちんとしているところばかりで、正攻法に行けば知らないまま出入国しているということはありえない、ということを知った。バスに乗った時点で、なんかおかしいと思わないのか!?とクミコにいた日本人に突っ込まれていたけれど、Tさんも初めての海外旅行、テンパってしまったのだろう、ということにしておく。

仮にTさんが捕まった場合、国外退去や刑務所などに入っていてもおかしくない。高野秀行さんはミャンマーからインドに密入国して、カルカッタで出頭したものの国外退去となり、いまだにインドのビザは下りないでいる。

なお、Tさんは同じルートをやはりイミグレを無視して通過し、無事ネパールに戻ることができた。その後、カオサンでTさんと再会し、本人から確認したので間違いない。

先日、Cさんと会ったときこの話をしたら彼も覚えており「ある意味、古き良き時代でしたよねえ」ということで一致した。