Pumpui's Diary

タイに約18年住んだ男のつぶやき

タイ人とアポを取るということ

SNSでタイ人とアポを取るときの難しさのようなものを読み、思い出した話。

駐在員でもある上司が交代し、新しいことを始めようとしたときのことだった。取引先の見直しをしたいからと、いくつかの会社にアポを取ることを命じられた。ある会社は「日本人と直接話せるように」という条件が付けられた。この取引先、取引がほとんどなく、私も実態を知らないところだった。上司としては、同業他社の対応がイマイチなので、日本人と交渉できればシェアを切り替えたい(前任者を否定し、自分の実績にしたかったのではとにらんでいるが)ようだった。

当初上司が希望した日時をそのまま伝えると、タイ人スタッフから「その日は日本人がいないので、別の日にしてほしいとのことです」と言われ、いくつかの日時を提案されたなかから、アポイントを取った。

アポイント当日、取引先に着いて面会のアポイントを告げると応接室に通された。しばらくして、幹部らしいタイ人が数名部屋に入ってきた。彼らは英語があまり得意ではないらしい。上司は英語はできるがタイ語は全く話せない。最初は私がタイ語であいさつを兼ねて訪問の理由などを話しているが、自分で話したい上司はいらいらしてきた。

「こちらに日本人がいると聞いて、今日は伺ったのですが・・・」

「え?うちに日本人はいませんよ」

上司はそれを聞くと、訪問の意味がないといって、すぐに打ち合わせを切り上げた。帰りに車で

「いったいどうなっているんだ!日本人がいるからわざわざ1時間もかけて来たのだろうが!ちゃんと相手の名前を確認したのか!」

と私にキレられた。

オフィスに着き、アポイントを頼んだタイ人にその旨を伝えると

「え~今日なら日本人がいるって言っていましたよ」というばかり。

タイで仕事をするということは、こういうことである。